中央省庁リレー講義―人口減少・グローバル化社会における政府の経済・社会戦略

10月6日(土)〜2007年12月8日(土)毎週土曜日 3・4講時 14時00分〜17時10分
10月6日 日本経済の長期課題――コーディネータ(講義とガイダンス)
10月13日 人口減少社会における財政・税制改革――財務省主計局、同主税局
10月20日 人口減少、高齢化と労働・年金・医療――厚生労働省年金局、同雇用均等局
10月27日 グローバル化・人口減少の下での地域経済と人的資源の強化――総務省文部科学省
11月10日 グローバル化の下での構造改革――内閣府(経済財政政策形成)、金融庁(金融制度改革)
11月17日 グローバル化する世界と日本――外務省(経済協力)、環境省(地球環境)
12月1日 国際競争力強化と世界経済システム――経済産業省(新産業創出)、同(自由貿易協定)
12月8日 21世紀の法制度と公務員のあり方――法務省人事院、コーディネータ(最終レポート課題)

(科目概要) 
 21世紀の日本は、人口が急速に減少し、また情報など技術革新、グローバル化が進展するなかで、近代日本で形作られた経済社会のあり方が急速に変化しようとしている。政府のあり方、政策のあり方も、それに合わせて変わっていかざるをえない。 本講義は、日本の政府部門が21世紀のメガトレンドを踏まえて何を戦略課題として取り組もうとしているか、そのための政策形成のプロセスはどう変りつつあるかを、主として経済社会分野について理解し、そこでの公務員のあり方・心構えはどうあるべきかを考えるための機会を提供しようとするものである。
 具体的には、経済官庁を中心に課長補佐級の現職公務員が毎回2名ずつリレー講義を行い、21世紀を見越した長期的観点からそれぞれの官庁が取り組もうとしている重要政策課題について、その問題の重要性、現実の制度・政策の仕組み、今後推し進めようとしている政策、等を解説する。政策づくりのプロセス、公務員の仕事の仕方や心構えなどにも言及する。
 したがって本講義は、日本と世界の経済社会の現実と戦略課題について学び考えようとする学生、そして公務員など公的部門を将来進路として考えている学生を、主たる対象とする。
 講義では、受講生の理解促進のため、次のような方法をとる。①最終レポートの他、毎回の講義ごとに簡単なレポートを提出してもらうことで、受講生の理解度と関心度を確認する。②講師への質問と対話の機会を確保するため、質疑時間を設けるほか、上記レポートに書かれた質問や意見のうち重要なものを講師に連絡し、できれば回答を得る。③最終レポートは講義された政策分野・内容に関する受講者の理解・評価・見解を問うもので、複数の政策分野から一つを選んでまとめてもらう。
(到達目標) 
 第1に、現実の世の中で起こっている経済社会の問題を知り、その処方箋を考えることによって、他の科目で学ぶ理論と現実の知識・見識の両方を身につけてもらう。この目的での最低限の目標は、『日本経済新聞』など経済メディアの報道や論評を批判的に理解する能力を身につけることである。
 第2に、政府の政策形成のプロセスや現職公務員の生き方、考え方を知ることにより、キャリアパスとして公務員を考えている受講生に対し、より具体的な理解とキャリア選択を可能にする。