内田クレペリン検査

2つの隣り合った一桁の数字を足して、答えの一桁目を書きます。
 一定の時間内に、どれだけの回数どれだけの精度で足し算を行い、しかも単純に答えを書くのではなく、正しく一桁目だけ書くことができるか。
 つまり、行動を「タスク」と「パフォーマンス」に分けて分析するわけで、作業量と出来高のばらつきが性格や気質を表し、職務適性を判断することができるのです。ただし、訓練によって正確に早く行うことができるようにもなります。
 [2つの数字を見る]→[足す]→「答えをだす」→「一桁目を書く」という作業を、[2つの数字を記号として見る]→[一桁の数字がわかる]という具合に、少ないプロセスで行うことが可能になるのです。

 ひと桁の足し算を5分の休憩をはさんで前半15分、後半15分の30分間行なわせた上で、1分ごとの作業量の継時的な変化のパターンから性格や適性を診断する。
 診断の基本的な考え方は、健康で性格面・適性面に大きな偏りのない人に典型的に出現する曲線型を「定型曲線」として置いた上で、その定型曲線との類似度やズレ、定型にあてはまらない曲線特徴の現われ方などからその人の性格や適性をみようとするものである。
 この検査は内田の期待に反して性格検査としてはあまり成功しなかったが、特に電車や自動車、航空機などの運転操縦への適性が曲線型とよく関連するという意見がある。

表見本