高齢ホームレス受け入れ、福祉マンション事業アプリシェイト

大阪・西成のあいりん地区は、戦後の高度成長を支えた建設労働者が住む街。ところがバブル崩壊後、不況が街を直撃。職探しが困難な高齢のホームレスが溢れる街となった。


 高齢化と不況の影響で仕事が減り、ホームレスの路上死が増加している。しかし、路上生活者が一般の賃貸マンションやアパートに住むには、高い敷金や保証人の問題があり実現が難しいのが現状。加えて、大阪市の場合は「自宅居住者」しか生活保護を受けられないため、賃貸住宅に入居する費用が無い野宿者は自立への道が絶たれていた。同社ではあいりん地区で簡易宿泊所を転用し、この問題を解決する「サポーティブハウス事業」を展開している。

 同社のサポーティブハウス事業の流れは、「路上生活者を敷金・前家賃無しでサポーティブハウスに受け入れ」「同社職員により、福祉事務所への生活保護申請手続きを実施」「生活保護で支給される住宅扶助額の上限以下にサポーティブハウスの家賃を設定」「3畳一間の個室と共同風呂・トイレ・炊事場や医療サポートを提供」「地域社会との交流や就労支援も実施」「希望者には一般アパートへの転居も支援」となっている。また、施設での旅行やイベントなども随時開催している。

 サポーティブ事業はアメリカではNPO法人が中心となって普及しているが、日本では2000年に同社が初めて事業化した後、民間・法人合わせて数社しか参入してわない。同社では、高齢社会問題やホームレスの問題を解決できるビジネスモデルとしての理解を得るため、今回の見学会を実施する。

 会場はマンションフレンド(大阪市西成区太子2-2-16)で、室内や共同設備の見学、スタッフによる説明や入居者の声も聞ける。