都知事選 民主党「慎太郎潰しの切り札」

「スキャンダル連発で人気にかげりが出てきた石原都知事は、知事選で自民・公明の推薦をもらおうとするでしょう。となると小沢民主党は“相乗り禁止”の方針から、首都決戦を挑まざるを得ない。しかも3カ月後に参院選を控えているから、勢いをつける意味でも大物を担ぐことになる。小沢代表の頭の中にあるのは、菅さんか田中前知事であることは間違いありません。この2人ならいい勝負になるし、風向き次第では逆転の目も出てきます」(政治アナリスト・伊藤惇夫氏)

 民主党・小沢代表が田中康夫氏を買っていることは有名だが、その田中氏は石原都知事と論争できる数少ない政治家でもある。石原サイドが最も嫌がる対立候補だ。

「田中氏も自分に出馬要請の声があることは知っている。ただ、今のところは党首をしている新党日本参院選のことで頭がいっぱいで、都知事選に関しては白紙のようです」(関係者)

 問題は、オリンピック招致をぶち上げ、ゼネコン以下の業界票の取りまとめに入った石原陣営に勝てるかどうか。なにしろ3年前は308万票も集め、次点の樋口恵子さんの81万票に大差をつけたものだ。都連最高顧問の菅代表代行もそれで迷っているが、意外やヤル気なのが共産党だ。

民主党が候補を決めれば、石原憎しの共産党は党内候補を降ろして野党共闘をしてもいいという姿勢です。共産党は東京で40万〜50万票はもっている。民主党が“基礎票”の150万票以上集められる候補さえ立てれば、弱り目の石原が出馬を撤回する事態も大ありなのです」(政界事情通)

 小沢民主党にとっては願ってもないチャンスの到来だ。