マクドナルドが示す米国型資本主義

 1970年代から80年代にかけて欧州型資本主義と米国型資本主義には大きな差異があった。例えば、60年代末から80年代前半まで社会福祉国家建設を中核理念とした社会民主党(SPD)が政権を掌握したドイツではデパート、スーパーまでが日曜休業、個人営業の小売店は平日も正午から午後2時まで一斉に閉店した。すべて労働者保護の政策であった。
 一方、米国では既にコンビニが出現し24時間、1年365日開店が当然となっていた。冷戦終焉後、欧州では米国型の市場優先、利益至上の新自由主義が席巻し始め、福祉国家のあり方も「大胆な修正」を迫られている。
 90年代末に経営不振に陥った米国マクドナルドが復活したプロセスに米国型資本主義、新自由主義の本質を見抜き、欧州社会のアメリカ化は真の自由の喪失につながるとの懸念が欧州知識人に広がっている。(グローバルリサーチ特約)