米で白人優位主義の極右団体が急増 不法移民を「獲物」に例える

 メキシコ出身などの不法移民対策めぐって活発な議論が交わされている米国で、ネオナチ、KKK(クー・クラックス・クラン)、 
アーリア国家といった極右団体が急速に活動を活発化している。こうした団体は、白人優位主義を唱え、ヒスパニック(中南米系)出身者の流入を米国の危機と考える排他的な組織だ。不法移民問題が、政治的な焦点となる中で、ヒスパニックへの暴行なども目立っており、人権保護団体も警戒を強めている。(ベリタ通信=苅田保 
 人権保護団体の南部貧困法律センター(本部アラバマ)によると、2005年の極右団体数は803組織に達し、00年の602組織から5年間で約3割も増えている。  
 ネオナチ、スキンヘッドはドイツ独裁者ヒトラーの排他的思想を信奉する若者を中心に組織された極右団体。欧州を中心に広がり、移民労働者の抹殺などを叫んでいる。米国でも支持者を増やしている。  
 KKKは、もともと南北戦争後に南部で組織された白人優位の秘密結社。白い三角頭巾をかぶった姿で知られ、外国人移民排斥を唱えている。このほかユダヤ人を「悪魔の落とし子」として反ユダヤを掲げる宗教右派グループも米国には存在している。  
 米国では、人種や宗教、信条などの違いに反発して引き起こされる犯罪を「憎悪犯罪」と呼んでいる。極右団体はしばしば「憎悪犯罪」に関与し、殺人未遂や、爆弾テロなどの事件を起こしている。

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