青年ー3課題

  • モデルの効果、賛否.(漱石,らいてう,蘆花,鴎外とか)
  • 坂井れい子夫人の役割・純一への影響
  • 上京後純一はどんな風に変わったか。

・女に関して。・執筆に関して。とか?
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その1(7/5)
坂井夫人・坂井れい子の夫は、父親ほど年の離れた法学者だった。出会い>
>イブセンの演劇へ行った時。「切れ目の長い黒目がちの目に、有り余る媚がある」夫人と出会う。
>ああ、しかしなんと思って見ても寂しいことは寂しい。どうも自分の身の周囲に空虚が出来て来るような気がしてならない。
知り合った酒井未亡人と交情が深くなった体験から女性の持つ「謎」を理解し、やがて現代小説を捨てて伝説を現実化する庄小説を書く決意をする。
>『青年』においては、箱根での坂井夫人との逢引への動機が「愛してゐるのではない……詰まり動物的の策勵」すなわち性欲のなせるわざであると、この上なく精密無比に分析され、その情痴の行きつく先が見えた瞬間、純一は書こうとして書けなかった小説がやっと「書けるかも知れない」と思うのである。
要するに、主人公の純一にとって、上京した時からもうすでに自分の生は、『三四郎』の語彙を借りれば、「決定」されていたのであり、女との出会いは生の再確認のための単なる動機づけに過ぎないのであった。その意味で、小説家をめざして上京してきた純一には、当初から「迷へる子」と無縁だったのである。
>鴎外は信頼関係に伴う感情を知らなかった代償として、他人に対する軽蔑を味わう方法に長けていた。
>純一は坂井夫人と同じ価値観を持っている。鴎外は坂井夫人の価値観を超えることはできない。鴎外にとって、夫人の価値観において高く評価されることが独立性の前提である。
純一は同じ価値観の中で、道徳的により高い精神を持つことで独立的であろうとする。そのために、坂井夫人と同じ価値観の内部で、坂井夫人にまず高く評価されることが必要になる。
語学力と美少年ぶりで上流夫人に受け入れられたが、純一にはそれ以上の能力がある、という自尊心である。純一は、他人の高い評価による自己肯定においても、対象の否定による自己肯定においても、坂井夫人に依存している。
>坂井夫人との関係は、純粋さ故の弱点であり、分離によって純真さは回復される。非常に単純な手続きである。

  • 好いわ。この寂しさの中から作品が生れないにも限らない。

現代社会を描きたい希望をもって東京へ出た文学青年小泉純一が,初志に反して伝説に取材した小説を書こうと決意する。
>大正時代には鴎外は自分の使命を終えている。漱石は明治の精神の終焉を客観化して描写し、新しい精神を形成するにいたったが、鴎外にはそれはできず、過去の歴史的な実証的な世界に住処を求めた。
>保守的なエリートだけの精神であり苦悩である。

漱石個人主義を越える、利他的個人主義の主張
この「青年」は、自然主義的筆致。
「活字は自由でも、思想は自由でないからね。」
要するに「シー・イズ・エロティック・マダーム、純一・イズ・オンリー・セックスマシーン。」なだけー。老人頭のヤリバカ(?!)

  • モデル。らいてうが三枝として出てくる。

三四郎ではヒロインだったが、純一は女じゃなく変な生き物って感じで見てる。
こいつのナルシズムを満たしてくれない女は、関心が無いんだろう。ま、らいてうの方ももっとがっしりしたのがタイプだしー。
森鴎外ポータル

*1:2☆←・・・深っ!『エリートは、現実を見る度胸がない』!!ー緩慢な死の態度を好むとか。胸がすくよ〜。結局、こいつは反面教師ってことだ。┓(´_`)┏青年は下らんが、この解説(漱石はやっぱり凄かった!)が楽しめるようになった踏み台として、留められるよ。☆*。*(´・З・)b